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がん緩和ケアWGリーダー
岡本 泰昌

「医療とは患者固有の人生の歩みと医療者の専門的職業人としての歩みの交差するところで営まれる行為である。というとらえ方が大切です。したがって、医療者は患者の人生と生活の全体像をしっかりととらえたうえで、治療方針を立てることを要請される。とりわけ死にゆく人とのかかわりにおいては、患者の内面にあるものを汲み取り、その人生の歩みを、崩壊でなく完成へと支援する取り組みこそが重要となってくる。」これは、当時勤務していた国立呉医療センターで「終末期がん緩和ケアカンファレンス」に精神科医として参加していた頃(1996年)にでた柳田邦男著の『「死の医学」への日記』の一節です。

この時代と比べて、医療の進展に伴い、緩和ケアも大きく、幅広くかわってきました。がんの終末期医療から、診断、告知、再発、あらゆる段階でのがん緩和ケア、さらに最近ではがんだけでなく生命に関わる循環器、呼吸器、神経難病などの様々な疾患にも緩和ケアの適用が求められてきています。緩和医療をとりまく期待はますます大きくなり、守備範囲は広がっていますが、緩和ケアに宿る精神は今も昔もなんら変わっていないかと思います。「人の歩み」を支援する緩和ケアを一緒に勉強していきましょう。


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